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アルコール依存症に向けて(11)

実はここから先のことは記憶があいまいである。

私は毎日、ビールを飲みながら本を読んで明け方近くに眠り、お昼過ぎに起きてきて、歩いて神保町や渋谷まで行き本屋を散策して、本を買い、外が暗くなるとビールを飲み始めるという生活にのめりこんでいった。

読んでいた本は、SFやミステリーであった。ただビールを飲みながらの読書であるので、量はたくさん読んだが、内容は今となってはほとんど覚えていない。

当時気に入った本の中に栗本薫著「グインサーガ」があった。私がこの本を見つけた時はすでに5巻が出版されていたが、神田神保町にある三省堂で見つけた時は踊り上がって喜んだ。何といっても全100巻完結というのである。栗本薫がどこかで物語は終わってはならないとかいうようなことを書いていたと思うが、私もそう思う。その意味ですでに5巻もそろっているグインサーガは申し分なかった。

一気に5巻買ったのか、毎日1巻づつ買ったのかは覚えていないが、私はビールを飲みながらこの本を耽読した。

ひいらぎ氏もグインサーガを20巻あたりまで何度も読んだと書かれていたが、私は、この5巻を10度以上も読み直したと思う。

最初この本は100巻完結予定であったが、現在も完結せず、今も継続中である。lそのため私もこの本を現在も読み続けている、今月読んだのは117巻「暁の脱出」であった。
栗本薫も酒をやめたとのことであるが、本来の目標であった第100巻「豹頭王の婚礼」までは、死ぬことなく、書き続けていただきたいものである。

ミステリーもお気に入りであったが当時気に入っていたのはアガサクリスティーの作品である。
もはや古典的なミステリーであるが、きちんと伏線がはってあって慎重に読み進めると誰が犯人かが明確にわかった。ビールぼけをしていた私の頭でも結論が推測できたのである。それに対して現在のミステリーは、読了直前になって新事実が明らかになり、結論へ至るというものが多く、いろいろ推理しながら本を読むという楽しみがなくなっていると思う。

私の読書傾向は今も変わっていない。あまり役に立つという本は読まないのである。

私は空想の中の世界に生きることが好きであり、今でも空想の世界の住人である。

ただ、当時と違って、私も年をとった。今は母と二人暮らしであるが、いつ母がぼけるとも死ぬとも限らない。私も、以前はいつも実際の年齢より若く見られていたが、鏡を見ると年をとったものだと思う。
一度だけでもいいから生き直しの機会が与えられたらと思う。
スペルボーン(Spellborn)