カテゴリ:修習生時代( 5 )

私が修習生だった頃、最高裁判所司法研修所は、まだ東京、湯島にありました。
で食事なんですが、研修所の中に食堂はありましたが、毎日同じところだと飽きがきます。

そこで昼食はたまに仲間と連れだって外に出ていました。行ったのは寿司屋が多かったです。

私は、その他にも、カレーが好きだったので研修所から歩いて10分ぐらいのところにある、インド・パキスタン料理のデリーというお店がお気に入りで、ひとりで食事に出かけるときは、そのお店に行き、一番辛いカシミールカレーという名称のカレーを食べていました。

カシミールカレーは、カレーソースに鶏肉とジャガイモを混ぜて、出来上がりでした。
それがとてつもなく辛くておいしかったです。

神戸に帰ってからもずいぶんカシミールカレーを探していましたが、スーパーのレトルト食品として置いてありました。

今日はそのカレーを夕食に食するつもりです。

きちんと説明書どうり鶏肉とじゃがいもをゆでていれます。

カシミールカレーは極辛ですから誰にでも合うとは思いません。

でも私には第2の青春の懐かしい思い出の味です。
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修習生時代、刑事裁判の修習の時です。
あまりに常識はずれなおっさんの裁判を目撃しました。

そのおっさんは側道から優先車線に進入し、優先車線の車と衝突したということで道路交通法違反で起訴されたのですが、こいつは起訴されるだけのことはあると、見ていて完全に思いました。

そのおっさんの言い分は、自分が優先道路に進入しようとしたとき、まだ優先道路の車との間に距離があった、だから優先道路の車は、止まるべきであって、それを直進したのが悪い。自分に非はないというものでした。

これを何度も繰り返しますので、とうとう裁判官が切れてしまい、優先道路の車に停止義務があったのかと半分どなるように追求したのですが、おっさんはしれっとした顔で、そうです。私の見たところ、私の車との間には30メーター以上の距離があったはずです。そして私の姿は見えていたはずです。だから車さえ止まっていれば事故は起きなかったのです。と、うそぶいています。
そして止まれるなら止まるべきです。それを直進した車が悪いと言い張るのです。

そこで裁判官は相手は優先道路を走っていたのだろうと追及すると、おっさんは、そうですけどそういうばあいでもお互いに譲り合うから、一般に事故は起こらないのじゃないですかとのたまわっておりました。

判決がどのようなものであったのかは記憶にありません。
しかし世の中には、このような恐ろしい発想で車を運転している人がいるのだなあと思って感心して見ておりました。

よい子は、優先道路に進入する際には、一時停止を、守りましょう。
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さて飲酒検知実験も無事終了した。
修習生たちは、皆ご機嫌な状態になっている。
そうしたところ指導担当検事がみんなに「さあ、これから酒飲みに行くか~」
と言ってきた。既に出来上がりつつある我々にはもちろん異存はない。

検察修習で飲む場合は、まず、検察庁の中で飲んで、そして検察庁御用達のスナックに行くことが多かったが、この日は人数も多いこともあってか、神戸駅近くの居酒屋に行くこととなった。

ところで呼気中に含まれるアルコール濃度が最大にまで高まるのは、個人差があり、飲んだ後、30分から2時間位だと前回に言ったが、検察庁で後片付けをして、居酒屋についた頃が、皆さん、酔いもピークに達しようかという頃あいである。おまけにみんな呼気1リットル当たり0,25ミリグラムのアルコール量を出そうとして、いつものペースではなくかなりハイピッチで飲んでいるから、飲酒量もかなり多いと言ってよい。

居酒屋に着いて、飲みなおし始めたころには、みんなもう相当出来上がってしまっていた。

私は検事の横あたりに座っていたのであるが、ふと気付くと、後ろのトイレあたりで何やら言い争っているような声がする。なんだろうと思い、覗きに行ってみると、仲間の修習生が激しい口調で男に今にも掴みかからんとするような様子で文句を言っている。そいつは元暴走族でのちに裁判官になった男であるが、体格ががっちりしているので、相手の男は怯えているような感じであった。

修習生が飲酒検知実験後、居酒屋で暴力事件を起こしたとなると、これは新聞ネタになること間違いない。絡みかかっている仲間も処分を受ける可能性がある。そこでこれはやばいと思い、あわてて3名ほどで、仲間の修習生に組みつき、その場で取り押さえて、男をトイレの外に出してやった。

なんでも仲間の言うことには、トイレに行ったところ男性用のトイレが使用中だったので近くの店員に断って女子トイレを利用し、出てきたところを別の従業員に見とがめられ、注意をされたので、俺はちゃんと断って使用しているのに文句を言うのは何だということで怒り沸騰に達したという話であった。

普段より酔っぱらっていたのは、私も同じである。飲酒検知実験はちょうど夏休み明け頃に行われたのであるが、夏休み前に私が取り調べていた夫婦で覚せい剤を使用した事件に関してさんざん検事に対して絡んでしまった。

その事件は、妻が先に逮捕された事件であり、夫も使用したというので、警察官が自宅に向かったのであるが、警官の不手際から、夫を逃がしてしまったという事件であった。夫は10日後逮捕されたが、10日もたつと覚せい剤反応は出なくなってしまう。
それでも私は、妻の供述や髪の毛を分析すれば、覚せい剤取り締まり違反で、起訴に持ち込めると考えていた。

しかし、私は途中で夏休みに入り、休み明けに進行状況を聞くと、妻は起訴するが、夫は処分保留で釈放したというではないか。私はこの処分にはムカついた。主犯を釈放してどうするのかと、思っていたので、ぼろぼろに酔っぱらっていたその時は、感情を抑えきれず、10分以上、「俺の被疑者を返せー」と言いながら、検事に検察のやり方はおかしいと絡みついていたように思う。

さてこれで飲酒検知実験の巻きは終了するが、この実験は、裁判官、警察官、弁護士となろうとする者にとって重要な実験であるというのが、正直な感想である。呼気1リットル当たりのアルコール量が何ミリグラムかということを聞かされれば、だいたい飲んだ酒の量が見当つくし、酔っぱらう程度も見当がつくからである。
これは酔っぱらいにかかわる事件の処理にとって重要な意味を持つ。
税金の無駄遣いとは到底言えない実験であることは皆様方には理解していただきたいと思います。
以上
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さて、いよいよ飲酒検知実験の始まりです。
普段は、仕事の終りに、指導担当検事の部屋で、皆でわいわい言いながら、ビールを飲むのですが、今日は違います。これは正式な授業です。警察官2名を傍らにして、皆さん神妙な顔つきです。

アルコール類なら何を飲んでもいいのですが、ちゃんぽんは禁止です。自分の飲んだアルコール量が分からなくなるからです。

私も、神妙な顔つきだったはずですが、お好み焼き代のカンパを募るなどして、内心は、わくわくドキドキしていました。

私の選んだのはもちろん大好物のビールです。

目標は呼気1リットル当たり0,25ミリグラムのアルコール量の摂取です(前も書きましたが、当時はそれが酒気帯び運転の基準値でした。現在は0,15ミリグラムになっていますので、仮に飲酒検知実験が現在でも行われているとすれはそれが目標値になっているでしょう)。

さてまずはビール大瓶一本を飲んだところで、警察官のところに行き、口を水ですすいだのち風船を膨らませました。口をすすぐのは口内にビールが残っていると正確な数値が出てこないからです。私は何度か目のかの風船を膨らませる時、警察官に口をすすがないでやってごらんと言われて、風船を膨らませましたが、一気に0,6ミリグラムを超える数値が出てしまいました。
(読者の皆さん、飲酒運転など今後はされないと思いますが、仮に飲んで運転してしまったときは、口は水で念入にすすいでから、検査を受けることをお勧めします)。

最初の時は、数値は覚えていませんが、全然目標値には及びませんでした。
これは手ごわい。頑張って飲まねばと思い、好きなビールをがばがば飲み続けました。
他の人も次々と警察官のもとに行き、風船を膨らませていましたが、そう簡単に目標値はクリアーできません。

酒気帯び運転で検挙され、公判請求までいった人の弁護を2度したことがありますが、いずれも生中2杯とにチュウハイ1杯だけだったとか、少なめの量しか言いません。しかし、そんなこと真っ赤な嘘だということ、この実験を行った者には、分かります。
0、25ミリグラムを出すためには相当量を飲む必要があるのです。

また実験で目標値のクリアが難しい理由は、もうひとつあります。
それは、呼気中に含まれるアルコール濃度が最大にまで高まるのは、個人差があるそうなのですが、飲んだ後、30分から2時間位のちだということです。

実験では飲んだ直後に風船を膨らませるので、酔いが十分には回っていない状況下で目標値を出さなければならないというハンディ(?)があるのです。

さて皆さん(下戸1名を除く)懸命に飲むのですが、目標値に達する前にアルコールが徐々に回り始め、最初は実験だと神妙な顔つきをしていたのが、だんだんと陽気になっていきました。実験だったのが、徐々に宴会モードに変わっていきました。

かわいそうなのは警察官です。自分は一滴の酒も飲めないまま、酔っ払い連中の相手をせざると得なくなっていくからです。しかし、修習生はそんなことお構いなしに、陽気におしゃべりしながら酒を飲み、ときどき警察官のもとに行き風船を膨らませていました。

私が目標値を達成したのは、どれだけビールを飲んだ時か、何度風船を膨らませた時かは、もはや正確には覚えてないのですがビールを5本近くは飲んでいたように思います。

2時間くらいたった時には、男性陣は下戸の人を除いて全員目標値はクリアしたように思います。しかし女性には難しかったみたいです。途中でリタイアしてしまった人もいました。

今日はここまで、明日また続きを書きます。
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皆さんは、自動車の運転中、検問に合い、酒の匂いがするとして飲酒量を調べるために風船を膨らまされたという経験がおありでしょうか。

私は、飲酒運転は何度も行いましたが、幸いなことに飲酒運転中に検問に合ったことがなく、酒気帯び運転等で捕まったことはありません。

一度、宴会の帰りに、検問に遭遇したことがありましたが、宴会ではウーロン茶は浴びるほど飲みましたが、酒は一滴も飲んでなかったので、口をあけて息を吹きかけろと口臭は嗅がれましたが、もちろん、アルコールの臭いがするわけもなく、無事通過しました。

酒を我慢しての宴会でしたので、行ってよし、となった時にはざまあみろと喜びました。もちろん運転の際には、酒を飲まないというのが本来の姿ですので、別に喜ぶ必要もないのですが、何度となく飲酒運転を繰り返していたアル中の私にとっては何となく痛快でした。この気持ち分かってもらえますでしょうか。

でも酒を飲んで飲酒検知のための風船は何度も膨らませた経験はあります。

今回ははその時の話です。

裁判官や検察官、弁護士になるためには司法試験に合格するだけでは足りず、最高裁判所司法研修所における研修が必要なことはすでに述べました。その際、私が実務の修習を行ったのが神戸であったのもすでに述べております。神戸での修習生の数は総勢27名でありまして、一斉に弁護士事務所で弁護修習を受けたのち、9名づつ3班に分かれ、民事裁判修習、刑事弁護士修習、検察修習を受けることになっておりまして、私が風船を膨らませたのは検察修習の時のことでした。

それは飲酒検知実験と呼ばれていました。
要するにどれだけ酒を飲めば酒気帯び運転となるかということを身をもって体験する学習です。検察庁の一室に検察修習を受けている全員が集まり、それぞれが好きな酒を決めて、酒を飲み、その部屋に控えている2名の警察官のところへ行って、風船をふくさませ、その時点で車を運転すれば酒気帯び運転になるというまで酒を飲むという実験でした。

当時の私は、すでに依存症だったのですが、自分が依存症であるとの認識がない時代でした。

これもすでにお話ししましたが、検察修習の時代は、夕方5時までに懸命になって仕事をし、5時になると同時に修習指導担当検事の部屋に行って、ビールを飲むのを何よりの楽しみとしていた時代ですから、その前に正々堂々と酒を飲み、それが修習になる(つまり酒を飲んで給料がもらえる)というのですから、これほど嬉しいことはありませんでした。

酒類はもちろん全部検察が用意します。おつまみも出ます。但し、割きイカやカキの種とか全部乾き物です。私は、それだけでは、情けないと思い、個人的に昼休みに近所のお好み焼屋に行き、各種お好み焼きと焼きそばを注文しておきました。これはもちろん費用は私個人の負担ですが、参加者各位にかんぱという名目で、それぞれから2,300円を徴収して、賄いました。

さてその当日のことについてですがこれは次回に続くということで・・・(引っ張ってます。分かっています。このネタの引っ張り方については、クリーム氏のブログでさんざん学びました。クリームさん、覚醒のエチュード、このところ全然関係のないことばかりを書いていますよ。早く落ちの部分を聞かせてください)。
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スペルボーン(Spellborn)