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アルコール依存症に向けて(21)

前回、三田時代、朝起きると頭が締め付けられる感がし、それが夜再びビールを飲むまで続くようになったと述べたが、横山やすしが生前、ある知人に「俺は缶ビール一杯でも翌朝酒が残るねん」とこぼし、相談を受けた人が、それだけ師匠の肝臓がいかれてんねんと答えているのをテレビで見たが、私が思うに、それは肝臓の問題ではなく脳の問題だと思う。

横山やすしはよくぐてんぐてんになってテレビに出ているのを何度となく見たが、もう先は長くないなと思ってみていたものである。

私が初期のアルコール依存症になったのは何歳ころであるかということであるが、24歳のときには、もうおかしくなっていたという記憶があるので、23歳ころではないであろうかと思う。

とする19歳から毎日多量のビールを飲むようになって4年後ということになる。

自分の症状がもしかしたらアルコール依存症によるものではないかと思うようになったのは何時からかは、覚えていない。

しかし初期アルコール依存症になってから数年後には、自分がアル中ではないかということを疑い始めたようである。

それで本屋に行って病気に関する本が並んでいる棚から、アルコール依存症に関するものを抜き出しては、立ち読みするようになり始めた。

しかし病気の症状として、手が震えるなど、幻覚、幻聴が生ずるということは、書いてあったが、頭が締め付けれるようになって、イライラ感に襲われるという症状は、どの本にも書いていなかった。

また判定テストなども大抵の本に書いてあったと思うが、自分で判断しようとしても、仕事はしていなかったのでアルコールで仕事上の失敗したことがあるか、と書かれてあっても、そんなものはないと思ったし(本当は、授業に出なくなり、留年を繰り返していたということがまさしくこれに当たるのであるが)、ブラックアウトしたことがあるかという質問に対しても、確かにどうやって家に帰ったのか覚えていないという経験は、2,3度はあったが、そんなときは普段の何倍もの量を飲んだ時のことで、そういう状況下でブラックアウトすることはだれにでもあるものと思って、自分がそれに該当するとは思わなかった。そんなこんなで本屋でアルコール依存症に関する本を、何度も見つけ出して立ち読みすることはあっても、自分がアルコール依存症であるとは思わなかったのである。

現在のアルコール依存症に関する本が、私のような症状を、アルコール依存症に基づく離脱症状であると書いてあるかどうかは調べていないが、もし書いていないとしたらぜひとも書いていただきたいものである。
それが書かれていないと私のようにアルコール依存症であることを見過ごしてしまい、アルコール依存症が重度化する人はこれからも減らないと思う(もちろんこの病気は否認の病であるから、少々のことでは自らがアルコール依存症であると認識し専門病院につながる人は少ないであろうが)。

私が、自分がもうアルコール依存症以外の何物ではないと自己診断したのは、病状が悪化し、連続飲酒発作に襲われた時のことである。
時すでにもう遅しという状態になってからであった。残念である。
スペルボーン(Spellborn)